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上海から日本への通信テスト結果について


昨年度、上海(中国)でネットワークソリューションを提供するために実施した日本への通信テストの結果を公開致します。

◆実施日:2012年11月8日〜11日


PING疎通テスト

ブロードバンド回線+WiFi(以下、有線)
------------------------------------
 帯域幅
 Down:7.66
 UP:8.38
 応答時間 105msec
 遅延 5msec
 パケットロス 6.5%
 MOS値 3.9

3G+WiFi(以下、3G)
-------------------
 帯域幅
 Down:0.10Mbps
 UP:0.03Mbps
 応答時間 560msec
 遅延 58msec
 パケットロス 3.2%
 MOS値 1.8
※WiFiはホテル、オフィス、展示会場の3ヵ所で測定であり、結果は平均値を記している。

<まとめ>
・日中は、ほぼ平均値付近で通信できたが、応答時間は時間帯によるバラツキが大きい。
 最も応答が良いのは早朝の時間帯で100msec以下、最も悪いのは昼休みで10,000msec以上になった。
 深夜の時間帯はやや応答が遅くなる。上海で生活をしている方の情報によると、昼休みは社員が一斉に
 WEBを見るため急激に遅くなり、深夜は家で動画を見たりするために遅くなるようである。
・通信量が多くなるとパケットロスの数値が高くなる傾向がある。
・Tracerouteの結果によると、中国内は10msec程度、中国〜日本(東京)で約70msec、
 東京〜神戸で約30msec程度かかるようである。


プロトコルテスト

用途 プロトコル名 判定 備考
WEB閲覧 http △OK FacebookやTwitter等のSNSサイト、2ch等のような過激なサイト、
YouTubeやニコニコ動画等の動画サイトは制限されている。
Google関連(例:Gmail)は香港サイトに接続して自由に使えた。
https ○OK Gmail等のhttps通信を用いるWEBは問題なく利用できると思われる。
電子メール stmp ×NG メールの送信は不可。smtpsで送るか、Gmail等の用いる必要あり。
pop ○OK メールの受信は可能
ファイル転送 ftp ○OK ダウンロード、アップロードとも制限なしと思われる
メッセンジャー MSN ○OK MSNメッセンジャーでチャットができる
遠隔操作 RDP ○OK VDIで日本の仮想端末を利用することができる
VPN通信 PPTP ○OK VPNを利用した通信が可能。

<まとめ>
 ・現在のところ、WEBとメール以外はほぼ解放されていると思われる。
  但し、中国政府でネット検閲を強化した場合に、通信が遮断される可能性はある。


VPN通信テスト(PPTP)

VPN 応答時間(msec) 遅延(msec) PacketLoss(%) MOS値
133 81 6.0 3.3
105 5 6.5 3.9

<まとめ>
・オーバーヘッドによる遅延は避けられないが、検閲を回避できるので利用価値は大きい。
 VPNの提供をビジネスにしている会社もある。http://www.goodvpn.info/
 但し、中国政府でネット検閲を強化した場合に、通信が遮断される可能性はある。


VDI通信テスト(RDP)

通信形式 判定 備考
有線 ○OK 実用に耐えうるレベルで利用できると思われる。
3G △OK レスポンスが気になるが、なんとか利用することができると思われる。

<まとめ>
・WiFi,3GともにVDI通信を利用することができると思われる。


音声通信テスト(SIP+RTP)

通信形式 判定 備考
有線 ○OK 実用に耐えうるレベルで利用できると思われる。
3G ×NG 神戸→上海(Down)の音声は聞こえるが、上海→神戸(UP)の
音声が通じない。
UPの帯域幅が0.03Mbpsしかないのが原因と思われる。

<まとめ>
・3Gでの利用は帯域幅の向上待ちだが、WiFi環境を整えれば音声通信は利用できる
 と思われる。


セキュリティ

・デフォルトで利用されているネットワーク機器が多い
 −パスワードなしでログインできたり、推測可能な安易なものが多い
 −クラスCでの利用が当たり前になっている
・無線セキュリティはWPA2とWEPが半分ずつくらいで混在している。
 オープンネットワークになっているものも残る。
・セキュリティリテラシーに欠けるところがあると思われる。


その他

・クラウドアプリは大抵のものが使える
 ○Googlemap
 ○Evernote
 ○Dropbox
 ○AppStore etc
・ネットワーク機器はTP-Link,D-linkが多かった。
 その他、Netgear,Cisco,Bafallo,モトローラも存在した。


総括

想像していたよりも中国(上海)のインターネット環境は速かった。
日本への通信も100msec以下で応答があるので、日本国内にサーバを置いてアクセスしても、それほど不自由なくサービスを提供できると思われる。

WEB検閲という制約はあったが、最近のクラウドアプリは不自由なく使えるし、音声通信やVPN通信は比較的規制が緩やかだった。

今回はユーザ視点での通信テストだったが、今後はキャリアの方と情報交換をして、グローバルなネットワークサービスを提供できるようにしていきたい。

以上

■通信テスト環境(一部)
通信環境図(一部)

■通信テストの様子
テスト中の様子

通信テスト報告:顧客サービス部 久保 元