クーデター下のミャンマーから ― 2021年2月4日

ニュース

2021.02.05

クーデター下の ミャンマーから4日目

※ ミャンマーの続報は、アイクラフトJPN株式会社(弊社グループ会社)のHPにて更新しております。
アイクラフトJPN株式会社のHPは こちら 。

アイクラフトのミャンマーのスタッフから、現地の状況について続報がありました。
報告を原文のまま掲載いたします。

 


 

眼下に見える市場への人、車の往来も普段と変わらず、近隣を探索しても政変前と変わらず、本当にミャンマーの人達はたくましいと感じます、その日の生活に精いっぱいというのもあると思われます。(勿論この政変を多くの人が重く受け取っています)

フェースブック遮断

朝8時頃に新しい情報がないかフェイスブック開けてみたところ沢山のミャンマー人、日本人の方がミャンマーでフェイスブックが使えない!との投稿が寄せられ始めていました。
当初はインターネット上では閲覧できていたものが、インターネット上でも使えなくなっていきます。最終的にはVPNを使っている人は閲覧可能になっていくのですが、この頃ビジネス上で付き合いのあるミャンマー人数人からSignalの申請が来るようになりました。あまりミャンマー人はSignalを知らないのですが、何かの情報を得てSignalであれば使えるということだったのでしょう。

余談ですが、2月1日にインターネット遮断後再開された後に、NLD政権時にラカイン(Rakhine)州とチン(Chin)州など19ケ月使用できなくなっていた地区でインターネット制御が解除され使用可能になったそうです。
NLD政権に反対する地区の人達ですので、これも軍事政権の戦略でしょう、

私の家族(ミャンマー人)も朝から大騒ぎです。
フェイスブックが使えなくなってる!
メッセージが読めないし送れない !(なんでそんなに大騒ぎ?)
何かダウンロードしたら繋がると聞いたからダウンロードして!と言ってくる始末、
(結局はVPNのことで、Googleの1.1.1.1 Faster Internetをダウンロードすれば閲覧できるようになりました)
VPNのアプリはタイ、シンガポールのアプリで、殆どのアプリは7日間使用無料そのあとは課金が必要ですので、当然のことながら数日間だけ(2月7日までの遮断の期間)フェイスブック見るためだけに使うのでしょう。
Googleの1.1.1.1 Faster Internetは無料で使えますので、ダウンロードできることが拡散され使っているみたいです。
フェイスブックが使えないことを、なぜこんなに大騒ぎするかというと、ミャンマー人がフェイスブックの情報に頼っている(多くの人は暇があればフェイスブックを閲覧している)というのが起因だと思われます。
ミャンマーでは、家族のコミュニケーションツールとして、フェイスブックのメッセンジャーを使っている人が多いからです。
家庭にいる人たちはフェイスブックのメッセンジャー利用主体で、ビジネスマン達はViber、シンガポールなどの仕事経験がある人はWhat’s App,中国関係であればWe chat、日本人とはLineを使っています。
ミャンマー人にとっては老若男女問わずフェイスブックの利用が生活の一部になっています。宣伝効果が大きく、拡散スピードも速く、事業者や店舗(特に消費者向け商品)はフェイスブックを宣伝ツールとして利用することが大半です。テレビ広告に重きを置かない理由はここにあります。

大使館からも下記内容のメールでのお知らせがありました。
在留邦人の皆様へ
当地滞在中の皆様へ

2021年2月4日
2月3日、運輸・通信省は、フェイスブックの利用禁止に係る通達を各電気通信事業者に通知しました。この通達では、フェイスブックを一時使用停止し、携帯通信事業者、インターナショナル・ゲートウェイ運営者、インターネット・サービス・プロバイダに対し、本通達発出の時点から2月7日23:59まで一時的に同サービスを遮断することが求められていますので、お知らせします。

なぜフェイスブックを遮断する必要があったか

勿論軍政権の情報抑え込みが主体という前提ですが、国民に混乱を起こさせるような情報の拡散を遮断するという事も理由だと思います。
一つの例として、昨日書いたようにミャンマー札の10,000チャット、5,000チャットが使用できなくなるなどのフェイクニュースなどが拡散され、昨日のテレビニュースで、ミャンマー中央銀行がテレビニュース番組で、紙幣に関しての問題は起きないなどの内容及びフェイクニュースを信じないようにアナウンスしていました。NLD政権時も同様なフェイクニュースが拡散され、アンサンスーチー氏が政府発表としてフェイクニュースを信じないように国民にテレビなどのニュースで説明していました。
一般論で、ミャンマーに限ったことではないですが、フェイスブックを友達などとのコミュニケーションの場として使用する以外に、一人の人が多くのアカウントを持ち、虚像を作り上げ、多くのアカウントを使いフェイクニュース情報拡散をすることに問題を起こす原因にっていると思います。
経験上では昨年の選挙前には繋がりがない方からの友達申請があり、間違えて一人を承認したところ、メッセンジャーでいきなり、あなたは日本人ですか?ミャンマーに住んでいますか?あなたが応援する党はどこですか?などが送られてきました(送信者アカウントは選挙後にはなくなっています)
今回の処置がとられたことは政府だけの問題ではなく、一般の方々も原因を作っているともいえると思います。

鳴り物での主張 夕方5時と夜8時

2月2日より始まった、車のクラクション主張、家からの鳴り物をたたく(ミャンマーではこの行為は悪魔を退散させる行為として知られています、今回は軍事政権を悪魔に見立てたものになりますが、)行為に対して、政府の発表で夜8時以降のこのような行為で、度が過ぎた場合は拘束するとの発表があったとのこと(この情報もどこまで事実なのか、この情報もフェイスブックで拡散されたみたいですが、)
主張はいつものごとく私達のスーチーお母さん(軍は自分たちを国父と表現します)を支持する、解放してほしいという主張です。
今晩から静かな夜になるのかと思っていると、夕方5時頃よりいきなり外から鳴り物とクラクションが(毎回30分くらいで静かになっていきます)。5時から一斉に始まるということはこれも情報拡散の結果です。
ミャンマー人からしてみれば、夜8時以降(外出禁止令違反)ではないから問題ないという理論でしょう。
今日は終わったと思っていると夜8時頃再度クラクションと鳴り物が響き渡ります。
今やってる人たち拘束されるんじゃない?と家族に聞くと、
軍が自分のしたいことをやるんだから、自分たちも好き勝手にやっていいんじゃない?という答え。

これが大半の国民が今回の政変及び軍に対する心境なのかもしれないと感じさせられました。

政府関係

軍事暫定政権が始まるにあたり、昨日反NLDの約20の少数野党が今回の政権に賛同することを表明しました。
去年の選挙前にNLDから分かれた党、少数民族の一部の党、NLDと民政移行時に連立をもくろみ排除された党などが主な党です。
軍事政権が開始するにあたり、軍関係者(後日説明しますが、ミャンマーの軍関係企業、コロニーといわれる上級階級者)との関係性を模索することだけでなく、上記党の中からも政権中枢メンバーあるいは今回の政権内ポストも選ばれる可能性があります、今後事業をするにあたり、今回の政権の中枢とコンタクトとることが必要になってくることは言うまでもないことだと思われます。政府は政策自体の変更をしないことを明言していますので、大きな政策変化はないとしても、事業に関しては、やり易さとやりにくさは、どの政権でも同じですので、情報を取って精査する必要があります。

為替

既にお伝えしているように政変によるミャンマーチャットの価値が下がってきています。
本日為替1USD/1408MMK(先週1USD/1333MMK), 1JP/13.38MMK (先週1JP/12.4MMK)
周りのビジネスマンに聞くと1USD1450-1500/MMKになる可能性は大きいとのことです。
為替の影響は事業及びミャンマー経済に大きな影響を与えていきますので注視が必要です。

為替とも関係してきますが、国民感情として、民政移行に伴い、この数年間にミャンマーへの経済制裁などが徐々に解除され、ミャンマー人も外国との往来が自由にできる時代が来ていたのに、軍が今回のことですべてを台無しにしてしまい、またミャンマー人が外国からの制裁で渡航できなくなる、ミャンマーチャットの価値が下がる事により渡航費用が高くなる。
国民の理論としては、こういう原因をつくる軍関係者が許せないということになっているみたいです。