【既設LANをアップグレード!】マルチギガビットイーサネットで実現する高速ネットワーク通信!
サービス紹介
2023.12.11
- 社内の有線ネットワークを高速化したい
- 既設LANを有効活用したい
顧客サービス部所属の肥田です。
光ファイバーインターネットの普及により、家庭・企業問わず通信環境は格段に良くなりました。無線環境ではWi-Fi6の普及もあって、有線環境でギガビットイーサネットと騒がれていた1Gbpsを大きく上回り、今や理論値で10Gbpsに迫る勢いです。
有線環境でも10Gbpsを実現する規格が登場しましたが、既存のLANケーブルが使えないため、10Gbpsに対応するためには敷設済みのケーブルを入れ替える必要がありました。
そこで登場したのが2.5Gbps/5Gbpsで通信可能な「マルチギガビットイーサネット」です。
マルチギガビットイーサネットは、既設のLANケーブルを変更することなく、対応機器への変更でギガビットイーサネット(1Gbps)以上の高速通信を実現する規格です。
このブログでは、マルチギガビットイーサネットが導入可能な要件について確認し、その活用法について紹介します。
目次
マルチギガビットイーサネットのハードウェア要件
まず、マルチギガビットイーサネットに対応するためには、2.5Gbps/5Gbpsに対応したハードウェアを使用する必要があります。
- ルータ・スイッチ
現在市場で流通しているルータ・スイッチはマルチギガビットイーサネット対応製品も多く、ルータは無線(Wi-Fi6)機能と2.5Gbps LANに対応した製品が主流です。
スイッチングハブは全ポート2.5Gbpsや5Gbpsに対応した製品が多く販売されています。 - クライアントPCやネットワークストレージ等のネットワークインターフェース
クライアントPCのネットワークインターフェースはまだ1Gbpsが主流ですが、USB3.2やThunderbolt™などの端子からLANに変換することで2.5Gbps/5Gbpsに対応することが可能です。
また、デスクトップPCであればネットワークアダプタを増設することで対応します。
変換アダプタ、ネットワークアダプタの価格も数千円からのものもあり、コストをかけずに移行することもできます。 - LANケーブル
2.5Gbps/5Gbpsで通信を行うためには、CAT5e以降のケーブルが必要です。
CAT5eケーブルは規格は古いですが、最も普及しているLANケーブルです。
現在最上位のカテゴリは8で最大通信速度は40Gbpsに上ります。
ただ、対応している通信機器がまだ高価であるため、データセンター等に使われるのみとなっています。
規格 | 転送速度 | コネクタ形状 |
USB1.0 | 12Mbps | USB-A |
USB2.0 | 480Mbps | USB-A |
USB 3.2Gen 1×1 | 5Gbps | USB-A、 USB-C、microUSB |
USB 3.2Gen 1×2 | 10Gbps | USB-Cのみ |
USB 3.2Gen 2×1 | 10Gbps | USB-A、 USB-C、microUSB |
USB 3.2Gen 2×2 | 20Gbps | USB-Cのみ |
Thunderbolt™ | 10Gbps | Mini DisplayPort |
Thunderbolt™2 | 20Gbps | Mini DisplayPort |
Thunderbolt™3 | 40Gbps | USB-Cのみ |
Thunderbolt™4 | 40Gbps | USB-Cのみ |
マルチギガビット対応
適合 | カテゴリ | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
CAT.5 | 100Mbps | 100MHz | |
○ | CAT.5e | 1Gbps 2.5Gbps/5Gbps |
|
○ | CAT.6 | 250MHz | |
○ | CAT.6A | 10Gbps | 500MHz |
CAT.7 | 600MHz | ||
CAT.7A | 1000MHz | ||
CAT.8 | 40Gbps | 2000MHz |
マルチギガビットイーサネットの活用シーン
マルチギガビットイーサネットが活用できる環境を幾つか想定して、どういったメリットが生まれるか考えてみることにします。
家庭内LAN環境でマルチギガビットイーサネットを構築する
- ファイル転送の高速化
家庭内でのファイルの送受信が高速化され、大容量の映画・動画や写真などもストレスなく共有できるようになる。 - ストリーミングとゲーミングの向上
ストリーミングサービスの視聴やオンラインゲームの動作がスムーズになり、快適なエンターテインメント体験が可能になる。 - 複数デバイスの同時接続
テレビ、コンピュータ、スマートフォンなど、複数のデバイスが同時に接続されても、ネットワークの混雑が少なくなり、安定した通信が実現する。
有線と無線が共存する社内ネットワークでのマルチギガビットイーサネットを考える
- 設備のアップデート
マルチギガビットイーサネットを導入することで、使用しなくなっていた設備を活用することができる。 - 有線と無線の連携
有線接続は安定した速度を提供できるため、継続的なデータ転送や複数台での同時使用に適している。
高速な有線接続が、無線接続の補完として機能し、遅延やパケットロスを最小限に抑えることができる。 - NASへの高速アクセス
マルチギガビットイーサネットを導入することで、NASからのデータアクセスが高速化できる。
大容量データの共有やバックアップが迅速に行える。 - 通信の安定化
有線・無線で使用するデバイスを振り分けることで信号の干渉や電波障害のリスクが低減し、ネットワークの安定性が増す。
大容量データを扱う環境のマルチギガビットイーサネット化
- 高速なデータ転送
大容量データ(動画編集、3Dモデリングなど)を効率的に転送できるため、クリエイティブな作業やプロジェクトが迅速に進行する。 - リアルタイムコラボレーション
安定した回線速度によって、4K8K動画の編集や共有、大量のデータの共有、同時編集も行うことができる。 - バックアップと復旧の迅速化
大容量のデータを効率的にバックアップし、必要な場合に素早く復旧できるため、データのセキュリティと可用性が向上する。
まとめ
既設LANネットワークを高速化できるマルチギガビットイーサネットについて紹介しました。
既存のギガビットイーサネット環境をマルチギガビットにアップグレードすることで、家庭内LANや複雑な社内ネットワーク、大容量データを扱う環境でさまざまなメリットが生まれます。
これらのメリットは、インターネット速度の向上によって扱うデータ量が増えてきた今だからこそ、家庭や企業にとって未来志向の投資と言えます!
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