HULFT8.3以前 → 8.4以降 へ定義を移行する際のTips
ITツール紹介
2022.05.11
皆様、こんにちは。アイクラフト株式会社です。
今回は、HULFT8.3以前 → 8.4以降へ定義を移行する際のTips(テクニック)をご紹介します。
目次
「HULFT」とは…
HULFT(ハルフト)は、企業活動において発生する売上データや顧客情報、ログデータなど、ITシステムに蓄積されたデータの送受信を行うファイル連携ミドルウェアです。
業務システムの基盤として使えるように、文字コード変換を始めとする多彩な機能を備え、サーバーやプラットフォーム、コード体系などが異なる様々なファイルを、業界標準のTCP/IPプロトコルを使って安全、確実に送り届けます。
詳しくは、HULFT公式Webサイトをご確認ください。
定義抽出/取込の正しい手順
通常、HULFTの設定移行に関しては、下記のどちらかを使うかと思います。
(1) 専用コマンド (utlgen / utlupdt) でファイルをエクスポート/インポートする
(2) HULFT Manager で「エクスポート」→「インポート」を実行する
ですが、それぞれ以下の制約があります。
(1) 完全な移行であれば問題ないが、目視で確認したり、修正を加えたい場合には不向き
(2) CSVで出力/取込できるが、そもそも HULFT8.4 以降でしか使えない
というわけで、例えば、『古くなった現行サーバのOS更改に伴って、別途構築した新サーバへ、HULFT定義を移行したい。移行に際しては、不要な定義を削除したり、一部を修正したりしたい。』
という場合には、上記以外の手順が欲しくなります。
他に手順があるの?
無理矢理な方法ではありますが、下記の方法でなんとかなります。
(3) HULFT Manager で「CSV出力」→「インポート」を実行する
です。
「インポート」は HULFT8.4 以降でしか使えませんが、「CSV出力」は8.3以前のバージョンでも使えるため、このやり方を採用します。
注意しないといけないこと
「CSV出力」で取得したCSVファイルを「インポート」で取り込む場合には、下記に注意しないといけません。
[1] フォーマットの違い
「インポート」のフォーマットでは、どの定義を取り込むかを、CSVの各行の先頭列に記載された内容で判断します。主に、
SND(配信管理情報)、RCV(集信管理情報)、HST(詳細ホスト情報)、TGRP(転送グループ情報)、JOB(ジョブ起動情報)
のいずれかを、「CSV出力」で取得したCSVファイルの先頭列に追記する必要があります。
[2] 項目数の調整
HULFT8.4 と HULFT8.3 以前では、項目数が異なる場合があります。
例えば、HULFT7との比較では、下記の違いがあります。
| 7.x | 8.x |
| 自ネットPROXYサーバ名 | PROXYサーバ名 |
| 自ネットPROXYポートNo. | PROXYポートNo. |
| 相手ネットPROXYサーバ名 | – |
| 相手ネットPROXYサーバ名 | – |
項目数(=列数)をあわせておかないと「インポート」時にエラーとなります。
[3] 言語の違い
「CSV出力」で取得できるCSVファイルの言語は、HULFT Manager の言語設定によって日本語/英語が選択できますが、「インポート」ではすべて英語で記載されている必要があります。(でないと、エラーとなります)
なので、例えば、
『古くなった現行サーバのOS更改に伴って、別途構築した新サーバへ、HULFT定義を移行したい。移行に際しては、不要な定義を削除したり、一部を修正したりしたい。そして英語が読めないので、CSVファイルは日本語でほしい。』
という場合には、「インポート」時に英語に直す必要があります。
その時は、下記を参考にしてください。
項目名の日本語/英語対応表
| Type | 項目名 | 日本語 | 英語 |
| 共通 | 各項目で共通 | する | Yes |
| しない | No | ||
| EBCDICコードセット / EBCDIC Set |
自動 | Autoconfiguration | |
| カナ文字 | Katakana | ||
| 英小文字 | Lower Case | ||
| IBM英小文字 | Japan (Latin) for IBM | ||
| IBM英小文字拡張 | Japan (Latin) Extended for IBM | ||
| NECカナ文字 | NEC Katakana | ||
| IBMカナ文字拡張 | Japan (Katakana) Extended for IBM | ||
| 中国語簡体字拡張 | Simplified Chinese Extended | ||
| SND | 配信ファイルの扱い / Transfer Block Length |
保存 | Keep |
| クリア | Clear | ||
| 削除 | Delete | ||
| ロック | Lock | ||
| 圧縮レベル / Compression Preference |
圧縮なし | None | |
| 横圧縮 | Horizontal | ||
| 縦横圧縮 | Vertical | ||
| DEFLATE圧縮 | DEFLATE | ||
| シフトコードの扱い / Shiftcode Mode |
付加する | Add | |
| 付加しない | Do not add | ||
| コード変換 / Code Conversion |
配信側 | Sending Side | |
| 集信側 | Receiving Side | ||
| 無変換 | No Conversion | ||
| RCV | 登録モード / Registration Mode |
新規作成 | New Creation |
| 置き換え | Replace | ||
| 追加 | Append | ||
| 異常時の処置 / Error Handling |
削除 | Delete | |
| 保存 | Keep | ||
| 復元 | Restore | ||
| 集信形態 / Receive Mode |
単一集信 | Single Receive | |
| 複数集信 | Multiple Receive | ||
| 集信完了通知 / Notification |
受信完了 | Receive Completion | |
| 正常時ジョブ完了 | Successful Job Completion | ||
| HST | 漢字コード種 / Code Set for Transfer |
IBM漢字 | IBM Kanji |
| IBM簡体字 | IBM Simplified Chinese |
最後に
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