InternetExplorerサポート終了決定!IEモードで対策した事例紹介
サービス紹介
2021.11.24
こんにちは!iSTAFF第2グループ所属の小杉です!
早速ですがInternet Explorer(通称IE)のサポートが終了することをご存知でしょうか?
IEでしか動かないWebシステムを使用している企業様は少なくなく、その影響は大きそうです。
私が担当しているお客様もIEからブラウザを切り替える必要があり、「サポート終了までに切り替えるのは難しい。どうしたらいいでしょうか」とご相談を受けました。
そこでIEの後継ブラウザであるMicrosoft EdgeのIEモードと呼ばれる機能を使って、お悩みを解決することにしました。
【こんな方におすすめです】
・IEを社内Webシステムで使用している
・サポート終了までにシステムの入替や改修ができない
目次
IEのサポートはいつ終了するの?
既にWindows365および他アプリでは2021年8月17日(米国時間)に終了となったIEサポートですが、2022年6月15日(米国時間)にWindows10のIEサポートも終了するとMicrosoft社が発表しました。
サポート終了まで1年を切っており、使用ブラウザを期限までに切り替える等の対策をとるのが難しい組織も少なくないでしょう。
そこでMicrosoft社がIEの代替手段として推奨しているのが、IEの後継ブラウザであるMicrosoft EdgeのIEモードの使用です。
Microsoft EdgeのIEモードとは?
Windows10から標準ブラウザとして搭載されているMicrosoft Edge。
IEよりも高速化、高セキュリティになりました。
そのMicrosoft EdgeにはIEモードという機能が搭載されており、IEベースで構築されたWebサイトやWebシステムをMicrosoft Edgeで表示できます。
これは、IEのレンダリングエンジン(Webページの見た目を整える役割)である「Trident MSHTMLエンジン」というものを使って、IE依存のWebページを表示しています。
IEモードの使い方
Microsoft Edgeで既に開いているサイトをIEで開きなおす手順は以下の通りです。
- Microsoft Edgeの右上にある…ボタンから設定を選び、”既存のブラウザー”>”Internet Explorer モードでサイトの再読み込みを許可”を”許可”に設定
- 再起動する
- 再度Microsoft Edgeを開き、右上にある…ボタンをクリック
- “Internet Explorerモードで再読み込みする”をクリック
常にIEモードで開きたいサイトについては、Microsoft Edgeの”設定”> ”既存のブラウザー”>” Internet Explorer モード ページ”からURLを登録できます。
ただし、こちらに登録したURLの有効期限は30日間となるので注意してください。
↑実際にIEモードを使用した画面。赤枠のところにIEのアイコンが表示されます。
ブラウザはEdgeですがIEとして表示されています。
IEを使い続けたらどうなるの?
IEはサポートを終了するだけで、使用できなくなるわけではありません。
ただし、2022年6月15日以降のアップデートにより、IEを開こうとすると自動的にMicrosoft Edgeにリダイレクトする仕様になるとMicrosoft社は発表しています。
アップデートを行わないのであれば、IEを使い続けることはできますが、アップデートにはセキュリティ向上や脆弱性の改善が含まれるため、この対応策はおすすめできません。
追加費用を払えば今までと同じようにIEを使用できる
実は、Microsoft社に追加で費用を払えば今までと同じようにIEを使用できます。
今回サポート終了の対象になったのは、LTSB/LTSC以外の通常版Windows10です。
この、LTSB、LTSCというのは企業向けの長期サポートバージョンのこと。こちらを購入すれば、それぞれのサポート終了時期である2025年10月、2029年1月までIEを使用できます。
また、Windows7の拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムを購入すれば、Windows7でIEを使用可能。ただし、ESUのサポート終了は2023年1月なので、使用できるのはそれまでとなります。
どちらの方法も永続的にIEを使用できるわけではないので、Microsoft社が推奨しているMicrosoft EdgeのIEモードを使用しながらブラウザ移行を進めていくのがいいのではないでしょうか。
デフォルトではIEモード使用に手間や制限がかかりますが、アイクラフトではなるべく今まで通りIEでWebシステムを使用できるように設定しました。
【事例紹介】手間や制限を気にせずIEモードを使用できるように設定
登録した特定のURLをIEモードで開く機能には30日間の制限があると書きましたが、レジストリというWindowsパソコンの中にあるデータベースで設定すると、期限の制約を受けずにIEモードを使用できます。
また、IEモードで開きたいURLリストはXMLファイルという設定ファイルで作成。
他のブラウザで開けるようになったWebシステムのURLをXMLファイルから削除すれば、自動的にクライアントPCにも反映されるので今後の運用管理が容易にできます。
具体的には、以下のような作業を行いました。
- レジストリ変更のバッチファイルを作成し、グループポリシーのログオンスクリプトでクライアントPCに適応
- IEモードで開くWebサイトのリスト(XMLファイル)を作成
- スタートアップスクリプトにてXMLファイルをクライアントに配信
これで、XMLファイルに記載されたURLは自動的にIEモードで表示し、それ以外のURLはMicrosoft Edgeで開くようになりました。
お客様がIEモードの切り替えを手動で行う必要がないので、作業効率を落とさずに業務できます。
まとめ
IEモードも永続的に使用できるわけではありません
Microsoft社のブログによると、IEモードのサポートは2029 年までとなっています。
Microsoft社のIEについての発表記事
https://blogs.windows.com/japan/2021/05/19/internet-explorer-11-desktop-app-retirement-faq/
これまでに脱IEしないと、IEでしか動かないWebシステムは使用できなくなります。
アイクラフトでは、今回のようなIEモード運用支援やIEから他ブラウザへ移行するためのシステム改修などのご相談も承っております。
ぜひ一度お問い合わせください!
https://www.icraft.jp/contact/