クラウド上でのシステム運用とは?種類ごとの特徴や運用方法の違いを解説
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2023.05.23
自社業務にクラウドシステムを導入して運用し、社内システムの効率的な監視・管理体制を確立したいと考えている方は多いでしょう。
しかし、クラウドでのシステム運用の具体的な特徴についてよくわからないというケースがあるのも事実です。
本記事では、クラウドの概要や種類別の特徴、運用方法について解説します。
また、パブリッククラウドとプライベートクラウドなどのクラウドの種類や、業務をシステム管理するメリット、注意点についても解説します。
目次
クラウド上でのシステム運用って?概要を紹介
クラウド運用とは、インターネット回線を通じて外部のサービスを利用し、社内システムを運用することです。
そもそもクラウドとは「雲(クラウド)に覆われたサービス」という表現が名前の起源とされています。
また、「クラウド運用」にはアプリケーションサービスの管理も含まれており、アプリケーションのデプロイ、パフォーマンスの監視、セキュリティ対策、スケーリング、障害対応などのプロセス全般が該当します。
企業のシステム運用は、オンプレミス(自社にサーバのハードウェアを導入)が一般的でしたが、近年ではコストや設備を準備する手間を削減するために、外部サービスを活用するクラウドでのシステム運用が主流です。
次の章では、クラウドの種類を解説していきます。
クラウドの種類
クラウドは、環境ごとに大きく分けると「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」に分けることができます。
パブリッククラウドとは、複数の組織や個人が同じインフラのリソースを共有し活用するサービスのことで、プライベートクラウドとは、リソースを共有せず自社専用で活用することです。
複数の組み合わせによる「ハイブリッドクラウド」や「マルチクラウド」といった運用の方法を取り入れてるケースも珍しくありません。
本章では、大枠であるパブリッククラウドとプライベートクラウドを解説していきます。
パブリッククラウドについて
パブリッククラウドは、コストを抑えて迅速にシステム導入や運用を開始できたり、クラウド基盤の管理やセキュリティ対策、障害対応などをサービス提供者に委ねることができるため、ITシステムをすぐに構築し、コストを低く抑えたい場合に適しています。
しかし、クラウドサービスのインフラ内でのみ使用可能であるため、制約が多く、他のユーザーと共有する利用形態のため負荷がかかりやすいのが懸念点です。
さらに、サービス提供者に障害が発生すると、自社も影響を受ける可能性があります。
また、クラウドサービスの普及に伴い、サイバー攻撃の対象になるリスクが増えており、セキュリティ面でも懸念が残る点は注意が必要です。
プライベートクラウドについて
プライベートクラウドとは、環境を構築した企業だけが利用できるクラウドサービスのことです。
そのため、高度なセキュリティ対策と高い自由度のカスタマイズが可能というメリットがあります。
各業務や既存のIT機器のスペックに応じてシステムを構築できるだけでなく、他のユーザーの影響を受けにくいため、負荷がかからず障害の影響も受けにくいのが特徴です。
パブリッククラウドと比較してコストが高くなり、システム構築には高度な専門知識が必要です。
上記に加え、リソースの追加や縮小が難しいというデメリットも存在しますので、パブリッククラウドとの違いを見極め、使用目的にあわせて運用を選択できるのが理想ですね。
以下で解説しますが、プライベートクラウドには、ホステッド型とオンプレミス型の2つの運用タイプがあります。
こちらも解説していきます。
プライベートクラウド(ホステッド型)
プライベートクラウド(ホステッド型)での運用とは、クラウド提供の事業者が特定の企業向けに開発・運営しているクラウドサービスです。
オンプレミス型と比較するとホステッド型の方が低コストで運用可能です。
メリットとしては、設置やメンテナンスへの負担が軽減されることですが、他のクライアントと同じデータセンター内にあるため、セキュリティ上のリスクは若干高まります。
プライベートクラウド(オンプレミス型)
プライベートクラウド(オンプレミス型)は、自社内にインフラストラクチャを設置し、管理する運用方法です。
最大の利点は自社でセキュリティや規制を完全にコントロールし、維持することができる点です。
しかし、初期投資が大変であることと、自社でメンテナンスやアップデートも行うため運用コストも高くなります。
クラウドの種類による運用の違い
どのクラウドを選択するかによって運用の対応範囲は変わります。
ここではそれぞれの運用について確認していきます。
パブリッククラウドでの運用とは?
パブリッククラウド上では、ネットワークやクラウド基盤の管理、セキュリティ、トラブルシューティングはサービスプロバイダが対応します。
一方、クラウド上で稼働した仮想サーバの管理やセキュリティはユーザー自身で対応する必要があります。
プライベートクラウドでの運用とは?
プライベートクラウド上でのシステム運用では、ホステッド型と、オンプレミス型があります。
こちらもそれぞれ解説します。
プライベートクラウド(ホステッド型)での運用について
プライベートクラウド(ホステッド型)は、既述した通りクラウド提供の事業者が特定の企業向けに開発・運営しているクラウドサービスを活用するため、パブリッククラウドと同様、ネットワークやクラウド基盤の管理、セキュリティ、トラブルシューティングはサービスプロバイダが対応します。
また、クラウド上で稼働させた仮想サーバの管理やセキュリティもパブリッククラウドの際と同じようにユーザー自身で対応する必要があります。
プライベートクラウド(オンプレミス型)での運用について
プライベートクラウド(オンプレミス型)でのシステム運用は、クラウド環境を構築する段階から、全て自社で行うため、セキュリティ対策や障害対応も含め、全て自社対応となります。
クラウドでのシステム運用の違いを一覧で確認!
クラウドでのシステム運用で重要なのは、自社、あるいは導入の目的にあわせて選定することです。
以下の表は、クラウドシステムのタイプ別の運用方法の違いを自社目線で表でまとめています。
パブリッククラウド | プライベートクラウド(ホステッド型) | プライベートクラウド(オンプレミス型) | |
ハードウェア購入 | 必要なし | 必要なし | 必要あり |
クラウド基盤の構築 | 必要なし | 必要なし | 必要あり |
ハードウェアの運用 | 必要なし | 必要なし | 必要あり |
クラウドの維持・管理 | 必要なし | 必要あり | 必要あり |
導入コストや導入・運用するにあたっての自社負担が少ない、パブリッククラウドやプライベートクラウド(ホステッド型)で運用するのがおすすめですが、場合によっては別のクラウド上での運用が適切な場合もあります。
不明点については、弊社でもご提案することが可能ですのでお気軽にご相談くださいませ。
パブリッククラウドでシステム運用する3つのメリット
ここからは、パブリッククラウドとプライベートクラウド(ホステッド型)でシステム運用する事を想定してメリットを紹介していきます。
メリットとしては、費用負担の少なさや手軽に利用できる点が挙げられます。
具体的なメリットについて確認し、自社でクラウド運用をする際の参考にしてください。
自社管理の負担がない
クラウドシステムの自社管理の負担が減る点がメリットとして挙げられます。
オンプレミスと比較すると、ハードウェアの調達・運用の作業を削減できる点が特徴です。
サーバやシステム内の変更に関する定期的メンテナンスは、クラウドシステムを提供している事業者が請け負うので、専門のIT技術者を自社で雇用する必要がありません。
ですが、プライベートクラウド(ホステッド型)では自社で実施するケースもあります。
導入コストや人件費を削減できる
パブリッククラウドやプライベートクラウド(ホステッド)でのシステム運用を選択するメリットは、導入するにあたってのコストを削減できる点です。
一からシステムを開発するオンプレミス型の場合は、開発・運用の業務に携わる技術者を雇用、もしくは委託しなければいけません。
システム開発費やそれに関わる人件費がかからない点は大きなメリットです。
クラウド運用を考える場合に考慮しておきたいIT人材の重要性や選び方については、以下の記事も参考にしてください。
【関連記事】IT顧問ってどんな人材?社会的なニーズや料金、事例について解説
どこでも利用できる
クラウドサーバを活用することで、任意のデバイスからどこからでも使用できるのがパブリッククラウドやプライベートクラウド(ホステッド)の魅力だといえます。
オンプレミスで自社サーバを使用している場合は、自社でしか利用できません。
クラウド上でシステム運用する際に気をつけたい注意点
パブリッククラウドやプライベートクラウド(ホステッド)上でのシステム運用において、セキュリティ面やカスタマイズ性の面で悩むケースも少なくありません。
この章では、具体的な注意点について確認していきましょう。
セキュリティ上のリスクがある
外部サービスを利用するので、セキュリティ上のリスクがある点がデメリットです。
クラウドシステムを導入したら、自社でセキュリティ対策を施し、企業の内部情報が漏えいしないような、堅牢なクラウドの運用体制を構築しなければなりません。
カスタマイズの自由度が低め
オンプレミス型のクラウド上でのシステム運用と比較すると、自社向けに開発するプライベートクラウド(ホステッド)を利用するとしても、カスタマイズ性には限界があります。
とくに仮想化基盤周辺の変更は、事業者側しか対応できない点がポイントです。
サービス提供元の企業に依存してしまう
外部のクラウドシステムを利用する場合は、システム障害のリスクを抱えている状態に加え、サービス提供元の企業に依存している状態となります。
そのため、安定した経営をしている企業のシステムを慎重に選ぶ必要があります。
クラウド上でのシステム運用のサポートならiSTAFF
自社におけるシステム運用に迷っていて、クラウド上でのシステム運用を含めたITツールの導入やDX化に向けた施策を検討しているのであれば、弊社のサービスがおすすめです。
この章では、弊社のサービスであるiSTAFF・iSTAFF24を活用するメリットについて確認します。
【関連記事】iSTAFFのサービス詳細
電話一本でクラウド設定を迅速に対応
アイクラフトのサービスでは電話を一本入れるだけで、クラウド設定に迅速に対応します。
外部のサービスを利用していても、操作方法や管理方法がわからないというケースもあるでしょう。
弊社の経験豊富で専門性の高いスタッフが、ITにまつわるあらゆるサポートやアドバイスにスピーディに対応しますので、安心してクラウド上でのシステム運用ができます。
定額料金で充実のサポート
iSTAFFのサービスはサーバ1台あたりで算出する定額制です。
どれだけサービスを活用しても、定額料金で安心・安全のサポートサービスを利用できます。
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IT保守のサービスを選ぶ際に気になるのはサービスの信頼性ですが、iSTAFFはサービスの継続率が90%を超えており、たくさんの企業から20年以上愛されているサービスです。
iSTAFFのサービスを利用して、クラウド上でのシステム運用にまつわる不安を払拭しましょう。
まとめ:クラウド上でのシステム運用とは?種類ごとの特徴や運用方法の違いを解説
この記事では、クラウド上でのシステム運用の概要や種類ごとの特徴、運用方法について解説しました。
近年では外部のクラウドサービスを活用したパブリッククラウドやプライベートクラウド(ホステッド)は、導入コストの面や手間の少なさから人気が高まっています。
何かと迷ってしまいがちなクラウド上でのシステム運用を含めた社内のDX化に関する総合サポートを検討している場合、ぜひ一度弊社にご相談ください。
自社のシステム運用を推進して、業務の生産性を向上させていきましょう。