情シスの担当者に資格は必要か?おすすめの資格と取得方法をIT企業が紹介
お役立ち情報
2022.12.24
ITの発達により企業の情シスに求められるスキルや知識は年々高くなってきています。
情報量が増える中で社員やクライアント様からの問い合わせに困惑した経験などないでしょうか。
情シスの仕事は多岐にわたり、社内のITサポートヘルプデスクからIT機器管理、サーバ保守・運用まで企業によっては少人数で担当する場合もあるでしょう。
またクラウドサービスを利用したデータの一元管理や業務効率化など、新しい知識を修得や部署をまとめるマネジメントスキルなども必要になります。
IT系の資格を取得することで基礎から応用までの知識が身につき、様々な問い合わせにも対応できるようになりますし、スキルアップのいいきっかけになります。
本記事では情シス担当者におすすめの資格とその取得方法についてまとめていきます。
アイクラフト株式会社では、情シス業務のサポートを行っており、実際に資格を取得して活躍しているスタッフが大勢在籍しています。
ぜひ参考にしてください。
目次
情シスの仕事内容と資格との関係性
社内のIT全般を担当する情シスは企業にとって大事な存在であり、仕事内容は多岐にわたります。
PCの不具合やインターネットに繋がらない、などの問い合わせに対応するヘルプデスクやIT機器の資産管理、さらに新しいシステム導入から運用まで広く企業によっては専任で対応する場合もあります。
本章では情シスの仕事内容を説明します。
社内のITサポートヘルプデスク
社内のITサポートヘルプデスクは、インターネットに繋がらない不具合やPCなど機器の故障など、ユーザーからの問い合わせに対応したりトラブル解決したりします。
簡単に解決できるものもあれば、解決に長い日数がかかる場合もあるため、社内で対応履歴を蓄積し情報共有する仕組みがあると早期解決に繋がります。
またExcelやWordといったITスキル向上の勉強会を開いたり、対応マニュアルを作成したりすることで会社全体のITレベル向上させる業務も期待されます。
PCなどIT機器の資産管理
PCを初めとするIT機器の資産管理は、PC・携帯・タブレット・プリンタ・サーバなど、会社では多くのIT機器を日々の業務で使用しており、会社にとって大事な資産を管理することです。
経理処理などに必要な状況把握や新しい機器の導入計画など、IT機器は消耗品となるため購入してからの年数や保守期間などを理解しておく必要があるでしょう。
またPCなどの故障頻度で加入する保守内容やPCの買い替えを検討するのも情シスの仕事になります。
社内システムの導入と運用
社内システムの導入と運用は、社内業務を円滑に進めるための社内向けの業務システムの導入を検討したり、導入後の運用サポートをしたりすることです。
部署によって利用するシステムは違い、顧客管理・商品管理・販売管理・人事管理・勤怠管理など社内システムによって多くのことが管理されています。
また管理事項が増えたり他社システムとの相性の問題から新規社内システムの検討が必要になるケースもあるでしょう。
その時に情シスが導入検討の指揮をとり、テスト運用から導入後のユーザーサポートまで実施します。
情シスの仕事において社内システムの新規導入はメイン業務の1つと言えるでしょう。
サーバやインフラなどのネット環境整備
サーバやインフラなどのネット環境整備は、会社の情報を管理する上でも重要になります。
情シス担当者と同じ会社内にサーバ機器を設置するオンプレミス、他社に設置されているサーバをインターネット経由で使用するオフプレミスがあります。
また最近ではAmazonやGoogleなどのクラウドを利用したクラウドサーバで管理する企業も増えてきました。
どのケースもメリット・デメリットがあり、運用や人的コストを考慮して最適なサーバ運用を決める必要があるでしょう。
さらにサーバを含めた社内ネット環境の整備も大事な仕事になります。
有線であれば配線の設置方法、無線であればアクセスポイントや外部からの接続方法なども考慮した設計が必要になるでしょう。
情シス担当者に必要なスキル【資格よりも優先!】
情シス担当者は他のユーザーからIT専門家として問い合わせや相談をされるケースが多く、豊富な知識が必要となります。
IT系の知識にはハードウェアに関するものとサーバ・ネットワークに関するもの、さらにマネジメントスキルなどがあり、資格よりも優先して身に付けておくべきでしょう。
ExcelやWordなどのアプリケーション操作
多くの会社で導入しているoffice製品、Excel機能や関数、WordやPowerPointといった書類作成に必要なスキルは問い合わせが多い内容です。
自社製品との相性や設定方法など、独自で決めているルールがあればマニュアル化し、不具合や要望があった際は都度対応し対応履歴を残すようにしましょう。
特に対応履歴を関して部内で共有する仕組みを構築すれば、速やかな問題解決に繋がります。
IT機器に関する知識
情シス担当者はPCやタブレット、携帯などのIT機器に関する理解も幅広く持っていた方が良いでしょう。
新入社員が入ったときのキッティング作業も情シス業務の1つとなり、すぐに使用できる状態で渡す必要があります。
また簡単な操作方法や設定、接続不良などの不具合に素早く対応するためにも日頃から意識して知見を蓄えるようにしましょう。
取り入れた経験は社内に周知したり、マニュアルに落とし込んだりアウトプットすることで早く身につきます。
サーバ・ネットワークに関する知識
IT機器がネットに繋がらないという問い合わせは非常に良くある問い合わせの1つです。
ネットに繋がらないと業務ができないのはもちろん、zoomなどのネット会議が増えている昨今において、会社の信用に関わる問題になりかねません。
そのためネット関係の不具合は早期の対応が必要になります。
またサーバには社内の情報管理している場合が多く、サーバのトラブル対応にも早急な原因究明が求められます。
サーバとネットワークに関する理解はしっかりと身に付けておきましょう。
マネジメントスキル
全ユーザーから大小様々な問い合わせが日常的にくる情シスでは、部内の連携は欠かせません。
1つ1つの問題を早期解決するためにも、優先順位を付けてチームで仕事を回すマネジメントスキルは必要です。
またユーザーの中にはITリテラシーが低い方もいるので、専門用語は使わずにわかりやすく説明するコミュニケーションスキルも大事となります。
どんなユーザーでも上手に問題を解決するためには、コミュニケーションスキルは欠かせません。
情シスにおすすめのIT系の資格5選
情シスの業務に必要なIT知識は実際に問題解決をするのが1番ですが、IT系の資格を取得することでも身に付けられます。
近年ITへの理解が必要不可欠となってきている中で、企業として報奨金を出す所も多くなっており、会社全体でも補助し始めています。
今回はおすすめの資格を5つ紹介します。
ITパスポート
基礎的なIT知識や情報機器、セキュリティなど基本的なITリテラシーやセキュリティ対策の知見が身に付けられます。
国家資格であるITパスポートは、経営戦略やシステム戦略などのストラテジ系・開発技術やサービスマネジメントなどのマネジメント系・基礎理論やシステムなどのテクノロジ系が出題されます。
情報技術に関して基礎的な認識を備えているかをはかる資格となり、情シス担当者以外にも一般的な社会人のIT知識向上や大学生の就活においてもプラス評価されやすいでしょう。
IT化された社会で働く全ての方に必要な基礎知識を証明できる資格と言えます。
参考:ITパスポート試験
基本・応用情報技術者試験
基本・応用情報技術者はIT知識と技術の証明に役立つ資格で、経済産業省が認定している国家資格となります。
基本情報技術者試験(FE)では、ITエンジニアとしてキャリアを積みたい方におすすめで、しっかりとした基礎が身につきます。
応用情報技術者試験(AP)では、ITエンジニアとしてレベルアップをはかりたい方におすすめで、技術はもちろん管理・経営・システム開発・IT基盤構築まで幅広い知見と応用力が身につきます。
社内でのインフラ整備や製品開発において高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
ITサービスマネージャ
ITサービスマネージャとは、顧客ニーズを常に考えながら日々業務を改善し、安全性と信頼性の高いITサービスを提供し、IT投資効果を最大化できるスキルとなります。
情シスで活動する上でIPA資格区分の中では一番適切な資格となるでしょう。
ITサービスマネジメントの業務に従事し、システムの計画・運用・評価・改善などチームのリーダーとして活動したい方に向いています。
参考:ITサービスマネージャ
プロジェクトマネージャ試験
豊富なITスキルを踏まえた上で、システム開発のプロジェクトマネジメントなどで力を発揮したい方におすすめな資格がプロジェクトマネージャ試験です。
IPAが実施している国家資格で、プロジェクトマネージャの立場でIT人材として専門分野を活かしながら、予算・品質・スケジュール管理のノウハウを身に付けられる資格となり、プロジェクトのリーダーとして活躍したい方にはおすすめです。
受験には年齢や経験の制限がないためプロジェクトマネージャの経歴が無くても受検可能です。
IT業界では開発や運用だけの経験しかできない場合が多いですが、将来を見据えてプロジェクト全体をみられる知見を付けることで仕事の幅も格段に広がります。
ITストラテジスト
情報処理技術者試験区分の中で最も難易度が高い国家資格であるITストラテジストは、経営戦略に基づき、IT技術の導入などを提案する能力があることの証明になります。
経営者目線でIT戦略の計画・実行を責任もって成し遂げたい方におすすめの資格です。
ITを活用した事業・業務改革、製品・サービスの企画・開発・推進する業務で、主体的に仕事を進めていきたい方にはうってつけです。
参考:ITストラテジスト
その他の情シス担当者へおすすめのIT系の資格4選
上記以外にも多くのIT系の資格があり、その中でもおすすめの資格を4つ紹介します。
普段の業務と照らし合わせながら、ご自身のスキルアップに見合った資格を選択してください。
ITILの認定資格
ITIL認定資格とは、AXELOSによって提供されている資格でITサービスマネージメントの知識が身につき、システム運用管理業務に活かしたりITサービスの品質を向上できます。
認定資格には5段階のレベルがあり、ITILファンデーション、ITILスペシャリスト、ITILストラテジスト、ITILリーダー、ITILマスターと難易度が上がっていきます。
特にITILファンデーションはITサービス管理の仕事をする上では取っておくべき資格の1つになりますので、早めに取得すると良いでしょう。
Microsoft認定資格プログラム
Microsoft認定資格プログラムとは、Microsoft社が実施しているマイクロソフト製品に関する知識と技能をレベル別に認定する試験です。
試験のグレードは初級・中級・上級に分かれ、役割も開発者・管理者・データエンジニアなど9つに分類されています。
そのためご自身の携わっている業務内容や、これからやりたい仕事の方向性と照らし合わせてどの資格を取得するか決めてください。
Microsoft製品は多くの企業で使用されており、身に付けることで業務改善や効率化などの提案もしやすくなるでしょう。
参考:Microsoft
情報セキュリティマネジメント(SG)
情報セキュリティマネジメントとは、情報セキュリティ分野において計画・運用・改善を通じて情報および情報システムを安全に活用できる状態を確保するために必要な基本的なスキルを認定する試験です。
情報セキュリティが乱雑だと、企業の大切なデータが盗まれたり、サイトに突然入れなくなったりするなどのインシデントが発生する原因になります。
企業が安全に業務をするためにも、情報セキュリティの安全確保が必要になるでしょう。
AWS認定資格などのクラウドコンピューティング認定プログラム
近年、クラウドを利用してサーバ管理する企業が増えています。
クラウドサービスの中でも世界最大のシェアをもつと言われているAWSには、AWS自体が主催している認定資格があり、初級・中級・上級とレベルが分かれています。
上級レベルになるとデータベースやセキュリティといったジャンルに特化した専門知識に対する認定資格もあるので挑戦してみましょう。
クラウドサービスの多様化により、AWS認定資格などのクラウド系の資格を取得する方も今後さらに増えるでしょう。
参考:AWS
【関連記事】情シス業務を効率化するためには?5つの課題と解決策、おすすめのサービスを紹介
IT系の資格取得の勉強方法3つのポイント
ここまで情シスに関わる多くの資格を紹介してきました。
実際に通常業務がある中、資格の勉強をする時間がないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは勉強方法のポイントを3つ紹介します。
難易度の低いものから順に取得する
まず資格を取得する順番ですが、難易度の低いものから取得しましょう。
情シスにおすすめのIT系資格でも紹介したITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者・ITサービスマネージャーの順番で取得するとよいでしょう。
難易度が低いものから勉強することで基礎的な内容から修得できるので、内容を理解しやすかったり、中級・上級の内容は初級の応用だったりします。
しっかりと基礎知識を身に付けながら多くの資格取得を目指しましょう。
期限を決めて逆算して勉強する
次に大事になるのが、試験日から逆算して勉強することです。
ほとんどの試験で試験日程は公開されているため、取得に必要な勉強時間を計算し、毎日の習慣に落とし込みましょう。
間違っても一夜漬けで覚えようとしないでください。
目的は資格取得ではなく取得した知識を仕事に活かすことですので、知識を身に付け業務に活かせる方法を考えましょう。
インプットよりアウトプットを大事にする
資格に限らず、勉強となると極端にインプットしかしない方がいます。
それでは知識として定着しづらいため、インプットしたらアウトプットもセットで行いましょう。
おすすめは参考書と問題集をセットで勉強することです。
特に過去問を公開している試験がほとんどですので、過去問を解きながらアウトプットの量を増やし知見を増やしていきましょう。
まとめ
今回は情シスにおすすめの資格を紹介しました。
資格取得は大事ですが、資格取得で得た知識をしっかりと仕事や業務に反映させる方がもっと大事になります。
勉強中も常に業務への活かし方や改善をイメージしながらすると、知識修得も早くなり業務改善にも繋がるでしょう。
もし「ITの人材が不足している」「ひとり情シスのリスクを軽減したい」などのお悩みがございましたらアイクラフトへご連絡ください。
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ぜひ情シス業務にお役立てください。